こどもの歯科その他

健康なお口の機能を正しく育てる事のたいせつさ

赤ちゃんは食べることが苦手。離乳食を嫌がる、食べこぼしが多いなどたいへんですよね。実は赤ちゃんのお口のかたちはミルクを飲むこと専用。赤ちゃんは離乳期を通して食べる動作がしやすいお口に機能とかたちを変化させながら、もぐもぐごっくんの方法を覚えてゆくのです。

口元のかたちや歯が生える場所は歯や唇、舌、頬の筋肉が互いに押し合いながら、絶妙な力のバランスで決まってゆきます。歯並びだけでなく 口元や顔つきも変化させます

生えそろう

このバランスによって、離乳期を通して食べる機能を正しく身につけてゆければ、乳歯は自然にきれいなU字型に生え揃います。きれいな歯並びは食べることが上手で発音にも適しています。

指しゃぶりや口呼吸の癖はありませんか? これらの癖は力のバランスを崩して歯並びや口元のかたちを乱す原因にもなります。わずかな力のバランスの乱れが きちんと食べられない、発音しにくい、きちんと鼻から呼吸がしにくいなどにも 関係してしまいます

  


食べる機能はお口のカタチと歯の状態できまる

赤ちゃんは教わらなくても上手にミルクを飲むことができます。いっぽう 口から食べることが上手になるためには、それに適したお口のカタチに成長することと習熟が必要です。

知っておきたいのは乳幼児期から小児期にかけて
・お口の中に生えている乳歯や永久歯の本数がどんどん変化
・お口のカタチや大きさも成長に伴って変わる。
→なので
食べる機能や能力は月齢や年齢によって違うということです。

離乳の時期によってはお口の機能・かたちが追い付いていないので食べることがそもそも無理な食材もあります。離乳はお口の中の様子を見ながら進める必要があります。

離乳期 ミルクを飲むためのお口からもぐもぐごっくんのお食事ができるお口にこう変わる (個人差がありますので月齢は目安です)

生まれたばかり

生まれたばかりの赤ちゃんのお口はミルクを飲むこと専用のカタチ

離乳初期 月齢5~6か月

まだ歯が生えていないけれど上下の唇で食べ物を捕らえ始めます。まだ上手にできないからお口の周りが 離乳食だらけになっちゃう。

下顎に小さな前歯が生え始めたころ

食べ物を舌で上顎に押しつけてつぶす食べ方を始めます。唇が左右に引っ張られてきりりとした口もとになってきます。

前歯が上下生え揃ってくる 月齢9~11か月頃

下顎を左右に動かして歯ぐきを使って食べ始めます。

月齢18か月頃

最初の奥歯が生えてきて18ヶ月頃に咬みあうので奥歯ですりつぶして食べ始めます。手づかみで食べる時期。

注意したい離乳のつまずき

3歳頃までに乳歯が生え揃い、6歳頃になると永久歯が生え始めます。ここまでの過程で、むし歯が多い、指しゃぶり、偏った食生活、舌小帯(舌の先端の下面にあるスジ)のかたちの異常などがあると、お口から食べる機能(摂食嚥下機能と言います)の発達が遅れてしまうことがあります。このような離乳のつまずきは「口腔機能発達不全症」の原因になります(後で詳しくご紹介)。

  


お口の機能はどのように育つ? 注意しておくこと(1)

話す機能

赤ちゃんは教わらなくてもじょうずミルクを飲むことができます。いっぽう 口から食べることが上手になるためには、それに適したお口のカタチに成長することと習熟5歳の終わり頃までに舌っ足らずの幼児性の発音から大人の発音ができるようになります。5歳以降で発達の遅れや聴力の異常がない状態で発音に問題がある場合は医療機関に相談してみましょう。以下のような歯科的な問題が原因のこともあります。このような場合には歯科を受診されるとよいでしょう。歯科による対応が難しいケースでは小児科や言語聴覚士による評価が必要な場合もあります。

  • (1)指しゃぶりなどの口の周りの癖によって歯並びやかみ合わせの異常を生じ、口が閉じにくくなっている。
  • ▶乳歯が生え揃う3歳以降も癖が続いている場合は癖をやめさせます。早期に癖が中断されるとかみ合わせの異常も改善できます

  • (2)むし歯やケガで前歯が失われているか歯の根の部分しか残っていない。幼児期に前歯のない状態を続けると様々な悪影響を生じます。
  • ▶永久歯が生えだす6~7歳ころまで一時的に取り外しのできる乳歯用の入れ歯を使うなどの対応をします

  • (3)舌小帯(舌の先端の下面にあるスジ)が短いため舌をうまく動かせないので 発音しにくい
  • ▶歯科で舌小帯の切除と舌の動かし方の訓練を行います。



  • 指しゃぶり、愛らしいしぐさですが、いつまでも続けているといろいろと困ったことが……

      


    お口の機能はどのように育つ? 注意しておくこと(2)

    安静時は鼻から息が基本 口呼吸(こうこきゅう)していませんか?

    呼吸に関する機能と口呼吸の歯並びや口元への影響

    成長発育期の歯並びや顎の形は舌や唇、頬の筋肉の絶妙な力のバランスによって影響をうけます。安静時の呼吸の基本は口を結んで(吸う、吐くともにに)鼻からすること。その時 上と下の歯の間にはわずかにスキマがあり、舌は上あごに緩やかに密着しているのが基本のポジション。このような状況のもとでは歯は安静時の舌の形に添ってきれいなU字形に生え揃います。

    気を付けたいのは絶えずお口をポカンと開けて息(口呼吸)をしていること。お口の中の絶妙な力のバランスが崩れ、歯並びがV字型となってかみ合わせの異常を招いてしまいます。また 乾燥した冷たい空気が直接体の中に入るので、口の中が乾きやすくむし歯になりやすい、風邪やアレルギーになりやすいともいわれています。鼻呼吸が自然にできるように原因を探る必要があります。下記を参考にしてみてください。

    (1)歯並びが悪いので口が閉じにくい
     ▶歯科で歯並びの治療(矯正治療)と並行して口を閉じる訓練をします

    (2)鼻炎や扁桃肥大などによって鼻呼吸がしにくい
     ▶耳鼻科での診察と治療を優先します

    (3)口呼吸が習慣になってしまった
     ▶歯科で口腔閉鎖訓練を行います。熱心に取り組むと半年ほどで効果が表れます。

      


    お口の成長発育にも個人差がある

    上下左右あわせて乳歯は合計20本 永久歯は28本生えます。子供の成長発育に個人差があるように歯が生える時期にも子供によって大きな幅があることが最新の調査でもわかりました。

    ということは、月齢が同じだから同じような離乳食が食べられるというわけではないということです。お口の中に生えている歯の本数が違っていたとしたら当然です。

    離乳期はお口から食べることをトレーニングする時期ですが生えている乳歯の本数によって食べられるもの 食べにくいものが違ってきます。離乳が遅いのは単にまだ食べるための機能が整っていないからかもしれません。

    10歳から12歳ころにも注意

    乳歯の奥歯が生え代わる時期には食べ物をすりつぶす歯の本数が一時的に減ります。ということは食べることが苦手な時期でもあるということを知っていてください。場合によっては食べ物の大きさを調節するなどの配慮が必要です。

      


    こどもの食べる機能や話す機能の不安に歯医者さんが頼りになる時代

    偏食が気になる、食事に時間がかかるなどお子さんの食事に関することで気になる方も多いのでは?

    お口の機能の発達になんらかの問題があってうまく食べられない場合もあるようです。そんな時は歯医者さんが頼りになります。

    2018年(平成30年)4月から公的医療保険に「口腔機能発達不全症」が導入され保険で受診できるようになりました。

    日本小児歯科学会のホームページにはこどものお口の機能の問題について指導や管理に詳しい小児歯科専門医が公開されています。お近くの医療施設を探してみてはいかがでしょう。

    【専門医・認定医がいる施設検索】
    http://www.jspd.or.jp/contents/main/doctors_list/index.html