歯周病は怖くない

No.110,東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 歯周病学分野 准教授

 歯周病は成人が歯を失う最大の原因です。歯周病には歯肉炎と歯周炎があります。歯周病は自覚症状がないまま経過し、気付いた時にはかなり進行している場合があります。歯周病は口腔内の歯周病菌の感染によって歯周組織が冒される病気です。
歯周病菌のある種のものは、夫婦間・親子間あるいはペットからも伝播します。
また、歯周病は生活習慣病の側面も持っています。しかし、多くの場合、自己管理と適切な治療により克服できます。歯周病の存在は口腔内だけの問題に留まらず、糖尿病、心臓血管疾患、低体重児早産、老人性肺炎等、全身の病気と深い関係があります。
日頃から自分の口腔内に関心を持ち、歯周病にかからないように、注意を払いましょう。

歯ぐきの健康度を表わす「歯ぐき年齢」という言葉があります。実年齢とは直接関係がありません。以下に歯ぐき年齢チェックリストを示しますが、あてはまる項目の合計点数で年齢を算出します。
点数を足していって、9点以下なら歯ぐき年齢は20代。10~17点だとrd30代、18~30点なら40代、31点以上は50代。
20代の歯ぐき年齢なら、今のところ歯ぐきは健康な状態。
しかし、30代だと、やがて将来、歯周炎になる可能性があり、今から対策を講じる必要があります。
40代はもはや要注意の歯周炎予備軍で、50代ならすでに歯周炎に冒されている状態と考えられ、すぐに、歯科医に診てもらう必要があります。
さて、あなたの歯ぐき年齢はいったい何歳位でしょう?

 

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著者

渡辺 久

東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 歯周病学分野 准教授