こどもの歯科学校歯科検診

要観察歯CO(シーオー)の概念

平成7年4月より学校保健法の施行規則一部改正に伴い、学校における定期健康診断では、従来の「疾病の早期発見・治療勧告」という考え方から、「心と体の健康つくり」を指向するようになりました。歯科健診もこれに呼応して、むし歯の検査に要観察歯CO(シーオー)の概念を導入しました。

COの1例、大臼歯小窩裂溝の着色

それまでのむし歯の検査では、進行程度によりC1、C2、C3、C4の4段階に分類していましたが、歯科医院への受診を勧めるCと、初期う蝕の可能性があるものの自ら管理することによりう蝕への進行を防げうるCOに分けるようになりました。具体的にCOとは、歯の噛む面の小さな窪みや溝(咬合面小窩裂溝)の褐色状の着色、つるつるした面(平滑面)のざらざらした感じや白濁などを指します。したがってCOといわれた場合には、すぐに歯科医院を受診する必要はありません。

しかし、ただ観察していればよいわけでなく、学校や家庭における適切な口腔保健指導が不可欠です。ブラッシング(歯磨き)指導に加えて、生活習慣や食生活習慣を自ら改善するよう促します。子どもが積極的にCOを管理しようとする努力を通じて、自分の健康を自分で守る考え方を育むことを支援してあげて下さい。

歯周疾患要観察者GO(ジーオー)の概念

平成7年の学校歯科健診から、歯肉の健康状態についてGO(ジーオー)すなわち歯周疾患要観察者の概念が導入されました。歯周疾患は大きく歯肉炎と歯周炎にわけられます。歯肉炎はプラーク(歯垢)が歯の表面に多量に付着し、そのなかで繁殖する細菌の刺激によって、歯肉に炎症が起こるものです。歯肉炎を長期に放置しておくと、しばしば炎症は歯肉を通り越し、深層の歯根膜、歯槽骨などの歯を支える組織が徐々に破壊されて歯周炎となります。

GOの1例、上顎左右中切歯間の歯肉が赤くはれ(発赤腫脹)ている

GOとは、プラークが付着し歯肉に軽度の炎症が認められますが、健康な歯肉もあり、歯石の沈着は観察されない学童生徒です。歯と歯の間の歯肉などが部分的に腫れて赤みを帯び、歯ブラシなどの刺激により出血することもあります。しかし、プラークがつきにくい食生活を心がけ、効果的な食後のブラッシングを励行できれば、歯肉が引き締まってくるなど炎症は徐々に消退し始めます。

歯肉は、病的な症状も含めて健康状態を自分自身で観察しやすく、また本人が努力した結果も比較的反映しやすい場所です。子どもの健康教材としても適しており、歯肉の健康を回復することは、歯や口の健康に興味を抱き、ひいては全身の健康につながる生活習慣を考える嚆矢(こうし)になりうると思います。

歯列・咬合項目

平成7年の学校歯科健診から、歯列・咬合が新しい健診項目に加えられました。診査基準を設定するにあたり、学校歯科保健の立場から、すべての不正咬合を指摘するのではなく、将来咀嚼機能を含めた口腔機能に影響するような不正咬合をスクリーニングするよう配慮されています。診査結果には、(1)このままでよい、(2)注意を要する、(3)精査を勧める(要精検)の3段階があります。

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歯列・咬合の異常は、(1)反対咬合、(2)上顎前突、(3)開咬、(4)叢生、(5)正中離開、(6)その他、の6項目にわたり判定されます。例えば、反対咬合では前歯が3歯以上逆に噛んでいる状態を、上顎前突では上下中切歯先端(切縁)間の水平距離が8mm以上あるものを「要精検」とするなど、比較的重症な不正咬合が抽出されます。

不正咬合の治療は、ごく一部を除いて保険治療の対象ではありません。つまり、名目上疾病として認められていない異常を、学校健診項目としてとり上げることには微妙な問題が生じます。しかし、健診の目的は、心身の健康に影響を及ぼす可能性のある不正咬合をスクリーニングすることです。不正咬合の欄に○がついていても、必ずしも治療勧告を意味しませんが、経験深い歯科医に相談されることが望ましいと考えます。

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