たかが歯周病、されど歯周病

監修 渡辺 久
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 歯周病学分野 准教授

歯周病は厚労省の「健康日本21」にも取り上げられ、国を揚げて取り組むべき国民病と認知されています。歯を失う原因を虫歯と分け合っていますが、虫歯のようなはっきりとした自覚症状がなく、気付いた時には手遅れということもしばしば遭遇します。日頃からご自分の口の中に関心を持ち、何か気掛かりなことがあった場合は放置せず専門歯科医に相談しましょう。普段から“かかりつけ歯科医”を見つける努力をしましょう。何の症状がなくても年1回は歯科医院を訪れ、口の中のチェックとクリーニングを受けることをお薦めします。そうすることは健康への投資と考えて頂いて、長い目でみれば金銭的にも時間的にも節約となります。

歯周病は歯の周りにこびりつく細菌の集合体である歯垢(デンタルプラーク)が原因で始まりますが、正しいブラッシングを心掛ければ、大きなトラブルを回避することができます。不幸にして歯周病になってしまった場合でも軽度のうちは歯周治療により健康な歯茎(はぐき)を取り戻すことができます。

歯周病は口の中だけではなく、全身の健康にも関係することが最近の研究で明らかになってきています。具体的には歯周病があることが糖尿病や心臓疾患や肺炎や低体重児早産などを惹き起しやすくするといわれています。たかが歯周病、されど歯周病、自らの健康は自らの地道な努力により得ることができます。